1988年に「東京国際演劇祭'88池袋」としてスタートし、95年からは「東京国際舞台芸術フェスティバル(TIF)」として、また2000年より運営母体をNPO化(特定非営利活動法人アートネットワーク・ジャパン)して活動を続けてきました。
NPO化によってフェスティバルの開催以外の事業展開が可能になり、2001年には英国で開催された「Japan2001」の公認行事として、ロンドンで日本の現代戯曲のリーディング企画を実施するなど、多角的な活動を始めています。


第9回目を迎える「東京国際舞台芸術フェスティバル」は、本年より名称を変更し、「東京国際芸術祭」として新たな地平を切り開くことになりました。国際フェスティバルとしての国内外での地位の確立をめざし、今まで以上に良質の舞台芸術を紹介していきます。


TIF2002では、世界的に評価の高い演劇公演を海外から招聘するとともに、国内で注目を集める若手アーティストによる演劇、ダンス公演を製作、主催し、アーティストの活動の新しい展開をサポートしていきます。


また、来年度(2003年度)からはアジア、オセアニア地域の国際フェスティバルとの連動を目標に開催時期を新春(2・3月)へと移行し、高水準の舞台芸術を相互に提供しあうネットワーク環境と海外招聘の効率化のためのサーキット環境を整えていきます。
将来的には演劇、ダンスだけでなく音楽、美術やこれらのコラボレーションをも包括した総合的な国際フェスティバルをめざします。

TIF2002では、世界のフェスティバルなどで高い評価を得た作品を招聘し、世界の舞台芸術のトレンドを紹介します。一流のアーティストの仕事を目の当たりにすることで、観客はもちろん日本のアーティストたちに大きな刺激を与えることのできる、TIF2002のメインプログラムです。
 また新たに、国、民族、地域が今現在内包する問題をテーマにした公演の招聘をスタートさせます。小規模の公演ではありますが、日本の観客、特に若い世代に共感を与えるであろう、即時性あふれる公演をプログラムします。

国内制作プログラムとしては、東京以外の地域で活動する劇団の東京公演をサポートする「リージョナルシアター・シリーズ」が4年目をむかえ、過去に参加した劇団の再参加という新しいプログラミングで実施します。

さらに、そのリージョナルシアター・シリーズから新たに展開するプログラムが加わります。地方の若手アーティストの才能を発掘し、サポートしてきた昨年までの実績を基盤に、プロデュース公演やインターナショナル・コラボレーションへ発展させる企画です。
 これらは、99年からTIFが取り組んできた東京と地方を結ぶネットワーク構築の成果と、次なる展開へ向けての新たな一歩となるでしょう。

地域を拠点に活躍し、今後が期待される若手・実力派劇団を紹介する企画として99年秋に始まった本シリーズも今年で4回目を迎えます。99年は7劇団、2000年は6劇団、2001年は5劇団を紹介し、今年も11月21日より12月8日まで、5劇団が東京芸術劇場小ホール1・2に登場します。

本シリーズに参加した劇団は、その後も東京を含め全国各地に活動の範囲を広げ、また劇団相互の交流も活発となり新しいプロデュース公演に発展している例も多く、東京だけでなく地方でも話題の企画へと成長しました。

昨年までは毎年新しい劇団をラインナップしてきましたが、今年は過去に参加した2劇団も新しい境地を切り開く作品で参加することになりました。99年第1回リージョナルシアター・シリーズに参加後、北九州の劇団として確実な活動を続け、東京での評判も安定してきた、「飛ぶ劇場」は作・演出の泊篤志が恋愛をモチーフとした作品を仕上げました。また2000年に山口より参加した女優2人の劇団「POP THEATRE Я」は今回文学座より客演を招き山口で稽古を重ねています。新しいスタイルでの作品創造に期待がもたれます。
初参加は劇団B級遊撃隊(名古屋)・劇団Ugly duckling(大阪)・劇団こふく劇場(宮崎)の3劇団。劇団B級遊撃隊は東京公演も多い実力派、劇団Ugly ducklingはいま大阪で一番注目されている平均25歳の若手です。また脚本の評価が高い劇団こふく劇場は宮崎からリージョナルシアター・シリーズ初参加です。どれも見逃せない5劇団にご期待ください。

−観客と人材の育成をめざして−

観客の減少は日本の舞台芸術界の大きな問題としてここ数年論じられ、劇場を身近な存在に感じてもらうために、また舞台芸術への興味のきっかけになれば、と各劇場や劇団独自でワークショップやバックステージツアーなどさまざまな試みがなされています。
 TIFでは99年より、観客の育成を目的にワークショップなどを実施するコミュニケーション・プログラムを開始、2000年からはワークショップ(「アーティスト出張講座」)などを通じて、特に学生がアーティストと直接ディスカッションできる機会を作ってきました。
若い時代から日常的に舞台芸術に興味を持つことによって、舞台芸術を楽しむ行為は習慣化し、結果として鑑賞行為も、またそこから受ける感動も、生涯を通じて個々人が持ち続けられる無形の財産となり得ると考えています。

 さらにTIFでは、アートマネージャーを志す学生たちに実践の場を提供して、学生自ら企画、実践するアクティビティをサポートしてきましたが、TIF2002では新たに「ブロードバンドを利用した舞台芸術の情報発信」を加えて継続していきます。
 学生たちがマーケティングの手段のひとつとしてウェブを操る技術を獲得する場と、アナログな舞台芸術とブロードバンドの共存を考える機会を提供していきます。

海外の劇場やフェスティバルの芸術監督やプロデューサーを招き、将来の国際共同製作につながるネットワークの形成をめざして、昨年に引き続きインターナショナル・ヴィジターズ・プログラム(IVP)を開催します。
開催時期を2〜3月に移行する2004年以降の「東京国際芸術祭」の開催に向けて、アジア・オセアニア地域とのネットワーク構築に結びつくプログラムを予定しています。


名称 東京国際芸術祭
Tokyo International Arts Festival
会期 2002年9月10日(火)〜12月23日(月・祝)
会場 オリベホール 北千住西口イベント広場 ザ・スズナリ シアタートラム
スタジオあくとれ 世田谷パブリックシアター Bunkamuraシアターコクーン
東京芸術劇場小ホール1、2 パークタワーホール
演目 21演目 139公演
主催 特定非営利活動法人アートネットワーク・ジャパン(NPO−ANJ)
共催 社団法人国際演劇協会(ITI/UNESCO)日本センター
事業共催 Bunkamura(「リチャード2世」)
財団法人世田谷区コミュニティ振興交流財団(「月の向こう側」)
財団法人地域創造(リージョナルシアター・シリーズ)
国際交流基金(「インディアン・サマー」、
インターナショナル・ヴィジターズ・プログラム)
弘前劇場(「インディアン・サマー」)
助成 日本財団
協賛 アサヒビール株式会社 株式会社資生堂 トヨタ自動車株式会社
後援 外務省 東京都 
社団法人日本芸能実演家団体協議会 社団法人日本劇団協議会
協力 シアターガイド シアター・テレビジョン
宣伝協力 株式会社ポスターハリス・カンパニー
平成14年度文化庁国際芸術交流支援事業
遠藤 安彦 財団法人地域創造理事長
扇田 昭彦 静岡文化芸術大学教授
張 富士夫 トヨタ自動車株式会社取締役社長
永井 多惠子 世田谷文化生活情報センター館長
樋口 廣大郎 アサヒビール株式会社名誉会長
福原 義春 株式会社資生堂名誉会長
簗瀬 進 参議院議員・音楽議員連盟副会長
(五十音順)