TIFユニバーシティ
-早稲田大学演劇博物館グローバルCOE ×東京国際芸術祭 共同企画- TIFユニバーシティは、早稲田大学演劇博物館グローバルCOEと東京国際芸術祭(TIF)とによる共同プロジェクトです。講師は、TIFで作品を発表するため来日中の世界的アーティストたち。ナビゲーターには日本人の専門家をお迎えし、アーティストの創作の原点となる思想や社会における問題意識、作品づくりの手法や実験について、主要な作品・プロジェクトを題材に詳しく伺います。少人数のゼミ形式で、3時間たっぷりの特別講義。生身のアーティストと徹底的に向き合う贅沢な機会、ぜひご参加ください。

主催:早稲田大学演劇博物館グローバルCOE- 演劇・映像の国際的教育研究拠点
NPO法人アートネットワーク・ジャパン
TIFユニバーシティ Vol. 1  ダニエル・ベロネッセ(アルゼンチン)
日程: 3月8日(土) 16時〜19時
会場: にしすがも創造舎 1-1教室
料金: 無料
申込: こちらから
定員: 30名 (先着順、定員に達し次第予約終了)
言語: スペイン語(日本語による逐次通訳つき)
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Profile プロフィール
 ダニエル・ベロネッセ 演出 : ダニエル・ベロネッセ Daniel Veronese

劇作家、演出家、ドラマトゥルク。1955年アルゼンチン生まれ。
役者/マイム役者として活動を開始し、1985年より人形劇に携わる。1989年には、アルゼンチンの前衛演劇を牽引した伝説的パフォーマンス集団「エル・ペリフェリコ・デ・オブヘトス」をアナ・アルバラド、エミリオ・ガルシア・ウェビとともに立ち上げた。 演出家/ドラマトゥルクとしてのダニエル・ベロネッセの際立った感性は、アルゼンチンの演劇界で特別な注目を浴びている。
これまでに20以上の戯曲を著し、10作品以上の演出を手がけ、彼の作品集として『Cuerpo de Prueba』(全2巻)(ブエノスアイレス大学)と『La Deriva』(アドリアーナ・イダルゴ出版社)を出版している。

この15年間で国内では約25にも及ぶ受賞暦を誇るダニエル・ベロネッセは、常にパフォーミング・アーツの新しいトレンドを生み出し、実験的な作品を創作している。1999年、2001年、2003年および2005年のブエノスアイレス国際演劇祭では、プログラムを立案するキュレーターのひとりを務めた。国や財団からも支援を受け、アルゼンチン演劇界に影響を与え続けている。ベロネッセの作品は、アヴィニョン・フェスティバル、クンステン・フェスティバル・デザール、リンカーン・センター・フェスティバルなど、海外の多くのフェスティバルに招聘されている。
近年のアントン・チェーホフのプロジェクトとしては、『三人姉妹』のほかに『ワーニャ伯父さん』を題材とした作品にも取り組んでいる。


野谷文昭(のや・ふみあき)
1948年生まれ。立教大学教授を経て、2005年より早稲田大学教育学部教授。同時に東京大学文学部で講師を務める。日本におけるラテンアメリカ研究の第一人者であり、日本ラテンアメリカ学会の初代理事を務めたほか、現在はボルヘス会会長も努めている。小説・詩の翻訳紹介、評論の他、映画批評、字幕翻訳も手掛ける。著書に『越境するラテンアメリカ』(パルコ出版、1989)『ラテンにキスせよ』(自由国民社、1994) 『マジカル・ラテン・ミステリー・ツアー』(五柳書院、2003)。訳書にガルシア=マルケス『予告された殺人の記録』(新潮社、1983)プイグ『蜘昧女のキス』(集英社、1983)『赤い唇』(集英社、1990)『南国に日は落ちて』(集英杜、1996)ボルヘス『七つの夜』(みすず書房、1997)セネル・パス『苺とチョコレート』(集英社、1994)バルガス=リョサ『フリアとシナリオライター』(国書刊行会、2004)コルタサル『愛しのグレンダ』(岩波書店、2008)オクタビオ・パス『鷲か太陽か?』(書肆山田、2002)ネルーダ『マチュピチュの頂』(書肆山田、2004)など。


TIFユニバーシティ Vol. 2  シュテファン・ケーギ  (スイス)
日程: 3月15日(土)13時~16時
会場: にしすがも創造舎 1-1教室
料金: 無料
申込: こちらから
定員: 30名 (先着順、定員に達し次第予約終了)
言語: ドイツ語(日本語による逐次通訳つき)
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Profile プロフィール
シュテファン・ケーギ 構成・演出:シュテファン・ケーギ  Stefan Kaegi

1972年、スイスに生まれる。チューリッヒの美術大学を卒業後、ドイツのギーセン大学で演劇を学ぶ。2000年にヘルガルド・ハウグ、ダニエル・ヴェツェルの二人と共にアートプロジェクト・ユニット、リミニ・プロトコル(Rimini Protokoll)を結成。2002年にはハウグ、ヴェツェルと共に『Deutschland 2』を発表。朝9時から真夜中まで終日ベルリンで行われている国会を公募で集まった一般市民が、ボンで同時中継をするというプロジェクトは、ドイツで大きな話題となった。2006年にはフランスのアヴィニョン演劇祭で、『Mnemopark』と『Cargo Sofia-Avignon』の2作品を上演。両作品とも大きな反響を呼び、各フランスメディアで絶賛された。

ケーギは新作の製作にあたり、都市に対する徹底的なリサーチを基に、政治的・社会的な文脈から作品を作り上げる。その過程で出会った一般の人々を、彼は「日常生活のスペシャリストたち」と評し、出演者として起用。ドキュメンタリーやレディ・メイドの手法を用い、「ドキュメンタリー演劇」とも呼ばれる彼の作品は、アーティストが声高に政治を語るのではなく、現代の実社会を生きる人々との共同作業によって社会的・政治的な問題を描き出す。その大胆なプロジェクトの数々は、21世紀アートの新たな事件として世界中の注目を集めている。



鴻英良(おおとり・ひでなが)
1948年生まれ。演劇批評、ロシア芸術思想。ウォーカー・アート・センター・グローバル委員(ミネアポリス)、国際演劇祭ラオコオン芸術監督(ハンブルク)、舞台芸術研究センター副所長(京都)などを歴任。著書に『二十世紀劇場――歴史としての芸術と世界』(朝日新聞社、1998)、訳書に、『イリヤ・カバコフ自伝』(みすず書房、2007)、タルコフスキー『映像のポエジア――刻印された時間』(キネマ旬報社)、カントール『芸術家よ、くたばれ!』(作品社、1990)、共著に『野田秀樹 赤鬼の挑戦』(青土社、2006)、『反響マシーン――リチャード・フォアマンの世界』(勁草書房、2000)などがある。