東京国際芸術祭 english
2006年2月10日-3月27日
平成17年度文化庁国際芸術交流支援事業 主催:NPO法人アートネットワーク・ジャパン 東京国際芸術祭(TIF)について TIFアーカイブス
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東京国際芸術祭2006にあたって

NPO法人アートネットワーク・ジャパンは、2月、3月に、東京国際芸術祭2006を開催する。今回の芸術祭も、前回と同様に演劇の社会性、思想性、政治性を問うことに変化はないが、とはいえ、かなり大胆な変身をとげるための実験的な試みがなされている。
 我々の身体に知らずにしみ込んでくる素朴な意識・慣習、あるいは作為に充ちた社会的通念を打ち破る力は<今>アートにはないにしても、その奥にある権威・権力の不様な姿を暴き出すことくらいはできてもいいはずだ。
 アート界ではアメリカは孤立している。9.11同時テロからイラク戦争まで、多くのアメリカのアーティストの意に反し、合衆国政府は強行路線を突進み、それに伴って、アーティストは孤立を深めていった。ブッシュの政府が世界の嫌われ者であったとしても、アメリカのアーティストがそうである必要はない。どのような方策を国家がとろうが、アーティスト間の交流を絶やしてはいけない、というのが我々の主張である。アメリカのプレイライツ・センター、ガスリー・シアターと日米友好基金の協力のもと、非営利組織アーツ・ミッドウエストとの共同で、2000年以降の劇作4本を訳し、日本の演出家、俳優によってリーディング形式で公演する。アメリカの劇作家は何を考えているのだろうか。これは3年継続の事業である。
 今回もまた旧東ドイツの演劇と中東の作品を招聘している。ドイツ座のタールハイマー演出の『エミーリア・ガロッティ』は非常に評判の高い演劇だが、前回のフォルクスビューネのカストルフとは違って官能的で洗練された作品である。
 中東シリーズは国際交流基金との3年間プロジェクトの3年目だが、反響の強さ故に、5年に延長したい。クウェートのスレイマン・アルバッサームは2004年度『アル・ハムレット・サミット』につづき、東京国際芸術祭と共同製作で世界初演の新作を発表する。またイスラエルの今世界で話題の振付家ヤスミン・ゴデールの作品『ストロベリークリームと火薬』という政治意識の高いダンスを紹介する。
 リージョナルシアター・シリーズは、今回終了後大きく形を変えることが決まっている。
 今回の新しい試みは、日本の演劇の創作を開始したことである。2004年秋より豊島区の協力で、西巣鴨に稽古場、特設ステージ等(にしすがも創造舎)を開設し、作品を生み出すためのインフラを整備してきた。そこで演出家の倉迫康史氏や阿部初美氏などをレジデント・アーティストとして、にしすがも創造舎を拠点に作品創作に取り組める体制づくりに着手し、東京国際芸術祭でその成果を問うことにした。さらにドイツ演劇を紹介する中で、「ドラマトゥルク」という職能が演劇づくりに大きな役割をはたしていることを理解し、「ドラマトゥルク」を知る講座を開催するなど、理解を深め、今回はそれを実践に移すことにした。そこで日本でドラマトゥルクとしての役割を担える希有な人材である長島確氏と演出家阿部初美氏の共同でサラ・ケイン作『4.48サイコシス』をTIF提携公演として上演する。この方法が、日本の演劇界によい刺激となることを期待すると同時に、ドラマトゥルクをいかに育成するか、大きな問題にアプローチしていく考えである。

 

東京国際芸術祭ディレクター 市村作知雄

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