『ニーチェ』
2006年3月18日(土)─22日(水)
BankART Studio NYK ホール
百 年 後 の ニ ー チ ェ 。
哲学者ニーチェと思しき人物とその家族を描いた『ニーチェ 三部作』は、稀代の哲学者が晩年に精神を冒されて戻った実家を舞台とし、ニーチェ、母、妹が登場する。気宇壮大な哲学思想は、実家での生活のなかで歪められ、書き換えられ、その「継承者」となった妹により次の世代へと「伝達」されていく。時は十九世紀から二十世紀への変わり目、家族という私的な時空間を舞台にした『ニーチェ 三部作』だが、二十世紀から二十一世紀への転換を経験した私たちは、この作品をどのようなアレゴリーとして読み解き、書き換え、今の時代に切り開いてみせることが出来るのだろうか。