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About the work 作品について

「ダミアン・ジャレとダンサーのアレクサンドラ・ジルベールは、肉体を極限まで使ってのダンスを披露。全身からあふれ出る感情がホールを満たし、約三百人の観客の胸を打った。」
 [2006年3月26日 奥羽日報]

作品概要

『アレコ』
シャガールのバレエ背景画「アレコ」(1942年制作・青森県立美術館所蔵)の物語から着想を得て作られたデュオ作品。相手を愛するあまり殺してしまうという狂気的愛の形を、極限の身体表現から鮮烈に描き出す。驚異的な身体とグルジアの伝統歌唱によって、何もないシンプルな空間を極限まで満たし、見るものの心を強く共振させる傑作。(初演:2006年 青森県立美術館)

『新作・世界初演』
TIF'08の委嘱作品となる本作品は、D.ジャレ振付・出演によるソロ作品。女神アルテミスの入浴中の裸体を誤って目撃してしまったために鹿に変えられて自分の猟犬に食い殺されてしまったギリシア神話の登場人物、アクタイオンを創作の出発点とし、本作ではベルギーの造形作家アレクサンドラ・メインを舞台美術に起用、コラボレーションを行う。

『毛皮のヴィーナス』
2007年欧州文化首都リュクサンブールでのファッション企画展「Dysfasional」による委嘱ソロ作品。衣装は高橋盾/アンダーカバーのコレクションより。D.ジャレ振付、A.ジルベール出演。



作品解説

世界へ駆けていった原石『アレコ』 人形と見違えるほどにしなやかで、流れるような四肢の動きは、見る者の時間を心地良いリズムとともに舞台へと誘う。そして、時に生体のようにも死体のようにも映る彼らの身体は、美しさも哀しさも内包した重厚な物語を奏でる。
初演された現代版「アレコ」国際ダンス・コンペティションでは見事一位を獲得した本作『アレコ』は、その後シディ・ラルビ・シェルカウイ振付の新作『Myth』創作の起点となった。世界へ駆けていく原石が、ここにある。

様々な才能がぶつかり合い産まれる宝石のようなダンス モロッコ系ベルギー人であるシディ・ラルビ・シェルカウイは、モダンジャズ・ヒップホップの要素を、ダミアン・ジャレはヨガや伝統歌唱の要素を取り入れるなど、型にはまらないスタイルで圧倒的な個性を放つ。そして電子音楽の巨匠クリスチャン・フェネス(Fennesz)、日本を代表するファッション・デザイナー高橋盾(アンダーカバー)、など本公演では他分野で活躍するアーティストが作品に強く関わっている。こうした才能が自然に集うベルギーという環境から創作される芸術は、享受する我々を瞬く間に魅了させる、まさしく宝石のような作品になることに違いない。