Directed by Daniel Velonese 演出:ダニエル・ベロネッセ 溺れる男 Un hombre que se ahoga

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アーティスト・プロフィール

シュテファン・ケーギ 演出 : ダニエル・ベロネッセ Daniel Verones

劇作家、演出家、ドラマトゥルク。1955年アルゼンチン生まれ。
役者/マイム役者として活動を開始し、1985年より人形劇に携わる。1989年には、アルゼンチンの前衛演劇を牽引した伝説的パフォーマンス集団「エル・ペリフェリコ・デ・オブヘトス」をアナ・アルバラド、エミリオ・ガルシア・ウェビとともに立ち上げた。 演出家/ドラマトゥルクとしてのダニエル・ベロネッセの際立った感性は、アルゼンチンの演劇界で特別な注目を浴びている。
これまでに20以上の戯曲を著し、10作品以上の演出を手がけ、彼の作品集として『Cuerpo de Prueba』(全2巻)(ブエノスアイレス大学)と『La Deriva』(アドリアーナ・イダルゴ出版社)を出版している。

この15年間で国内では約25にも及ぶ受賞暦を誇るダニエル・ベロネッセは、常にパフォーミング・アーツの新しいトレンドを生み出し、実験的な作品を創作している。1999年、2001年、2003年および2005年のブエノスアイレス国際演劇祭では、プログラムを立案するキュレーターのひとりを務めた。国や財団からも支援を受け、アルゼンチン演劇界に影響を与え続けている。ベロネッセの作品は、アヴィニョン・フェスティバル、クンステン・フェスティバル・デザール、リンカーン・センター・フェスティバルなど、海外の多くのフェスティバルに招聘されている。
近年のアントン・チェーホフのプロジェクトとしては、『三人姉妹』のほかに『ワーニャ伯父さん』を題材とした作品にも取り組んでいる。


「凌駕できない作品、忘れられない作品。日常生活の中の自然な行為への言及。我々はチェーホフにそうしたものを感じる。さらには、『自然さ』といわれるものを何かに置き換え、日常的なものを最大限忠実に描き出してみせる。暴かれた細部。表に現れ出ていないもの。物事の解剖。その結果、大きな破局をもたらすものは舞台の外で起こる。そして、隠れているものが特別な重みをもつ。」 

「私が関心を持ち続けたのは、物事を非神話化できる場を探すことだった。不確かさ、さらには混乱さえも、単一化された思考とは違った理解のあり方を可能にしてくれた。教訓的であることから自由な劇作法。考えられないことを考え、よりヒューマンな形に近づけること。そのためには、疑いをさしはさむ余地のないものとして提示された事柄を疑わなければならない。ここからこの作品『溺れる男』は生まれた。」

過去の主な作品

『Espia a una mujer que se mata』(自殺する女)
ダニエル・ベロネッセによるチェーホフ・プロジェクトの作品の一つ、『ワーニャ伯父さん』の翻案劇。登場人物である4人の男性と3人の女性は、日々の生活に圧迫され、希望無く暮らしている。夢に破れ、愛に溺れ、人生における幸運を逸していく人たちを描くことで、ベロネッセは普遍的な問題提起を企てている。マドリッドのFESTIVAL DE OTOÑO(2007)、ブラジルのFESTIVAL INTERNACIONAL DE PORTO ALEGRE(2007)をはじめ、ドイツ、スペイン等世界各地で上演され話題を集めた、チェーホフ・プロジェクトの一作。