パフォーマンスメニュー

Profile プロフィール

プロフィール

シュテファン・ケーギ 構成・演出:シュテファン・ケーギ  Stefan Kaegi

1972年、スイスに生まれる。チューリッヒの美術大学を卒業後、ドイツのギーセン大学で演劇を学ぶ。2000年にヘルガルド・ハウグ、ダニエル・ヴェツェルの二人と共にアートプロジェクト・ユニット、リミニ・プロトコル(Rimini Protokoll)を結成。2002年にはハウグ、ヴェツェルと共に『Deutschland 2』を発表。朝9時から真夜中まで終日ベルリンで行われている国会を公募で集まった一般市民が、ボンで同時中継をするというプロジェクトは、ドイツで大きな話題となった。2006年にはフランスのアヴィニョン演劇祭で、『Mnemopark』と『Cargo Sofia-Avignon』の2作品を上演。両作品とも大きな反響を呼び、各フランスメディアで絶賛された。

ケーギは新作の製作にあたり、都市に対する徹底的なリサーチを基に、政治的・社会的な文脈から作品を作り上げる。その過程で出会った一般の人々を、彼は「日常生活のスペシャリストたち」と評し、出演者として起用。ドキュメンタリーやレディ・メイドの手法を用い、「ドキュメンタリー演劇」とも呼ばれる彼の作品は、アーティストが声高に政治を語るのではなく、現代の実社会を生きる人々との共同作業によって社会的・政治的な問題を描き出す。その大胆なプロジェクトの数々は、21世紀アートの新たな事件として世界中の注目を集めている。
僕にとって今日、政治的であること、それはドキュメンタリーであることなんだ。
この意味において、演劇は美術と比べてかなり遅れている。
演劇は、いまだにイデオロギーを語っているけれど、美術はここ数十年、既に経済を問題にしている。
「僕はほとんど、プロの役者と仕事をしない。
しばしば演劇のために使われる“役”という言葉が一人一人の社会的役割を表すものでもあることを、忘れてはならない。」
リミニ・プロトコル  Rimini Protokoll
シュテファン・ケーギ(Stefan Kaegi)、ヘルガルド・ハウグ(Helgard Haug)、ダニエル・ヴェツェル(Daniel Wetzel)の3人によるアートプロジェクト・ユニット名。2000年、フランクフルトで結成された。お互いが独立し、個人のプロジェクトを発表している一方で、メンバーの2人、もしくは3人のプロジェクトも多く発表している。老人ホームの老人たちによるフォーミュラー1を描いた舞台『Kreuzworträtsel Boxenstopp』(2001)やインドのコールセンターからベルリンの観客一人一人が持った携帯電話に指示を出す『Call Cutta』(2004)などの型破りな作品が世界の注目を集め、ヨーロッパを中心に世界の演劇祭や劇場で新作を発表している。

過去の主な作品

『Cargo Sofia-X』 (2006)
トラックの貨物部分を客席に改造。観客は実際のドライバーによるナビゲーションを聞きながら、実際の景色とそこに仕掛けられた世界を目にする。
ブルガリアの主都、ソフィアを出発したトラックは国境を越え、EUの国々を走り続ける。それぞれの土地の景観を舞台にヨーロッパ各地で上演され、2008年には上演都市が20を超える。2006年アヴィニョン演劇祭で最も入手困難と言われた作品。