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ストーリー

おばけがでると、雨がふる。あっちゃふんが、聞こえてくる。
北海道の港町。今はない僕の家。生まれてすぐに引っ越して、暫くはばあちゃんが住んでいた。 休みをとって釣りをする。天気予報がはずれて快晴。ちっとも魚は釣れないし、となりにはため息ばかりの嫁がいる。ばあちゃんは死んでもういない。大人になって知ったのは、そびえる崖のあの辺りに、龍宮城と呼ばれる遊園地があったこと。父親が生まれた時には、焼けてなくなっていたそうで。後から聞いた話しだけれど、ばあちゃんは一度だけそこに行ったことがあるらしい。僕もたぶん、一度だけそこに行ったことがあるんだと思う。あの日。あっちゃふんが聞こえてきて、僕はあの女の子のあとを追いかけた。おばけがでると、雨がふる。