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Profile プロフイール

プロフィール

高山明 構成・演出:高山明 (PortB)

1969年生まれ。1994年より渡欧。放浪生活の後、ドイツにて演出活動および戯曲執筆。並行して演出助手として研鑽を重ね、多数の舞台、オペラ等に携わる。1999年に帰国。その後も演劇テクストの執筆、実験的な演劇制作に取り組み現在にいたる。一年半にわたり携わってきた自らのプロジェクトを発展させ、2002年ユニットPort B(ポルト・ビー)を結成、現代演劇の可能性を模索している。2004年ゲーテ・インスティトゥートの招きにより『ベルリン演劇祭・若手演劇人のための国際フォーラム』に参加。2005年ベルリンの『InTransit演劇祭』に招聘されパフォーマンス作品を構成・演出。『ポストドラマ演劇』の著者H=T・レーマンとの共同プロジェクト(フランクフルト/ベルリン)が始まるなど、ドイツでの活動も積極的に行っている。

ツアー全体を通じて、東京に偏在する「オリンピック/競技」にスポットを当て、それらを“スポーツ”や“ゲーム”として楽しめるよう、また、それらが“スポーツ”や“ゲーム”として再発見されるよう様々な仕掛けを施した。そうしたアトラクションを楽しんでもらうなかで、“平和の祭典”と言われるオリンピックの“平和”にどこか通じるような、東京という街で繰り広げられる「戦い/平和」の“危うさ”や“無気味さ”や“可笑しさ”を体感してもらうツアーにしたい


『(前略)つまり、「劇場」での新しい「受容」形態は、「劇場」外での「受容」の際も引用され、応用されうるものでなければならず、その「受容」の内実とは、通常受け身のイメージで捉えられているようなものではなく、「わたしが世界との関係をどう結ぶか」=「世界を、わたしを、どう創っていくか」という極めて批評的/創造的なものなのである。』
(「『ブレヒト演劇祭』覚書ーブレヒト的なるもの」公演パンフレットより  高山明)
 Port B(ポルト・ビー)
2002年東京にて結成。高山明がドイツで培った演出メソッドを叩き台に、演劇以外の活動に携わるアーティストや職人を中心に演劇的実験を繰り返す。活動は多岐にわたり、ブレヒトの第一詩集『家庭用説教集』を素材に「教育劇とは何か」を探った作品や、H.ミュラー作『ホラティ人』、E.シュレーフ作『ニーチェ』、E.イェリネク作『雲。家。』など「演劇(的)テクスト」に取り組んだ舞台を作る一方で、高島平をフィールドワークし団地で暮らす人達を舞台に招き入れた『Museum: Zero Hour 〜J.L.ボルヘスと都市の記憶〜』や、隅田川をフィールドワークした成果を謡曲『隅田川』にクロスさせ、失われた「都市の夢/個人の夢」を弔った『Re:Re:Re:place 〜隅田川と古隅田川の行方(不明)〜』といったドキュメンタリー性の強い舞台が他方にある。更に実際の都市をインスタレーション化する“ツアー・パフォーマンス”なるものを企画し、巣鴨地蔵通りを舞台にした『一方通行路 〜サルタヒコへの旅〜』は好評を博した。いずれの活動においても「演劇とは何か」という問いが根底にあり、「きたるべきもの」としての現代演劇を追求している。
Port Bウェブサイト

ゲスト・パフォーマー:及川光代
1960年(昭和35年)、株式会社はとバスに入社。東京の「夜」を観光するコースのガイドとして常に第一線で活躍。その一方で宣伝ガイドとして各種イベントに参加、全国バスガイドコンクールにも出場し、テレビ、ラジオなどにも出演した。35年間のはとバス勤務ののち退職。その後もフジテレビ「もしもツアーズ」(2007年7月29日放送)やTBSラジオ「久米宏 ラジオなんですけど」(2006年12月30日放送)に出演するなど、多彩な活動を続けている。著書に『東京大見物「はとバス」ガイド日記より』(はまの出版、1995年)がある。

過去の主な作品

『雲。家。』

ヘルダーリン、フィヒテ、ヘーゲル、ハイデッガー・・・
祖国への想いが綴られた言葉の断片が、
極右思想を連想させるテキストへと回帰する――

ノーベル賞作家エルフリーデ・イェリネクによる僅か40ページの戯曲『雲。家。』。人種差別、外国人排斥、愛国心や祖国のための死といったテーマに触れるそのテキストは、大部分を詩人や哲学者の引用から成り立たせている… 言葉とテーマが深く結びつくあまり、外国での上演は不可能と言われるこの作品に、越境的思考で多メディア・多ジャンル的な活動をするPort Bが挑む。

*東京国際芸術祭2007参加作品、『雲。家。』(2007年3月1日(木)〜 4日(日)、会場:にしすがも創造舎特設劇場)

『一方通行路』

Port Bによる "出会い系" ツアー・パフォーマンス
演劇は、一定の時間に、一つの場所で公演される催しという通念があり、それは公演を行う上での大前提と考えられている。テレビやインターネットがほとんど「日常」そのものと化し、部屋にいながら「世界」を「見聞」したり「旅」したり出来る時代に、なぜ演劇なのか。その意味を探るべく、今回の「ツアー」を企画した。具体的には「地蔵通り」という一本の道に場を定め、また、一対一という上演形態のなかで見ること・聞くことの体験を異化することによって、非日常的な「町の風景」を現出させ、ひいては参加者一人一人が何物かに、そして自らに“出会う”瞬間を用意できればと考えている。

*サルタヒコ・・・古事記および日本書紀の天孫降臨の段に登場し、道の途中で邇邇芸命らを待っていた神。そこで道案内をしたことから、道の神、旅人の神とされ、道祖神や庚申と同一視されるようになった。巣鴨・庚申塚では「猿田彦大神」として祀られている。

*『一方通行路』
2006年 11月2日(木), 3日(金), 5日(日), 6日(月), 10日(金), 11日(土) [全6日]
11月23日(木), 26日(日) [追加公演] 会場:東京都豊島区巣鴨地蔵通りおよび庚申塚周辺